帰りの会 | パリジェンヌに憧れてンヌ!

帰りの会

澤君という人がいた。

彼は僕達の中でも、いち早くブリーフからトランクスに
乗り換えたファッショナブルな男だった。

そんな澤君に、僕と北川君は二人であだ名をつけた。
仲の良い友達同士での冗談みたいなあだ名だ。

しかし、どうやら彼は内心そのあだ名が気に入らなかったらしい。
小5のときの『帰りの会』で涙ながらに訴えられたのだ。

「柳生君が○○とか○○って呼ぶんです。
 ウグッ…。
 もうやめて欲しいです…。
 ヒクッ…。」

涙涙の帰りの会になって、もうなんだか気が滅入った。

てか、何でピンポイントに僕だけの名を挙げたんだ?
だいたいあだ名を考えたのは北川だぞ。

そんなことを思いつつ、後日澤君に
「お前泣きながら帰りの会で言うくらいならその前に言えよ」
って言った。

ほしたら、

「泣いてないわ、ボケー!」
って言われた。

今度は僕がボケと言われたことに対し帰りの会で訴えようかと思ったが
大人気ないのでやめた。