AV紳士
AVコーナー。
男達の夢と希望が詰まったそのコーナーは
昼夜問わず数多の男達を癒してくれます。
そんな男達のサンクチュアリでもあるAVコーナー。
イスラム教徒が六信・五行を守るように、
AVコーナーでも男たち独特のマナーのようなものがあります。
AVは上品に教養をフルに持って、礼儀正しく選定したい。
そう、AVを選ぶときこそ紳士でなければいけないのです。
男たるものAV紳士たれ!
やはり、紳士と名乗るからには礼儀正しくなくてはいけません。
AVコーナーでむやみやたらに騒ぐのは他の紳士への迷惑以外何者でもありません。
それと同様に、気に入ったAVをロックオンしている紳士の隣に立つのは
余り褒められた行為ではありません。
そこは一人にしてあげて最後のコンセントレーションを高めさせて上げましょう。
また、AV紳士界でも意見が左右されるところですが、
AVを借りたとき、レジで女性店員を狙うか否か。
女性店員を狙って辱める行為、また自らを恥ずかしさの身におく行為は
紳士としては避けるべき行為です。
しかし逆に、その恥ずかしさに耐えてこそ真のAV紳士とは言えないでしょうか。
いや、しかし紳士としては女性を辱めるなど…。
こんなジレンマがAVが登場した当時からAV紳士界ではあります。
これは僕個人の見解ですが、僕としては思いっきり恥ずかしいタイトルのAVを借りて女性店員を辱めたい欲求はありますが、紳士としてそれは避けたいところ。
理想は男性店員のときにサラリとAVを借りた方がいいと思います。
それがAV紳士のマナーだと思います。
このように、一見性欲でしか満たされていないと思われるAVコーナーも、実は紳士としてのマナーと慈悲の心に溢れた社交場になっているのです。
そんなAVコーナー。
先ほども述べたように数々のマナーで溢れているわけですが、
一つ重要なマナーを忘れていました。
それが、恋人同士でAVコーナーに入っていくことです。
これはもうロクな事がない。
大体、恋人同士なんて言うんだから、それなりの美男美女なわけですよ。
まかりなりにも番(つがい)になれるわけですから。
そんな二人がAVコーナーに入っていって、
「お前もこんな格好してみろよ!」とか言ってる日にはドタマをカチ割りたくなるくらいの殺意を覚えるもんです。
ここにいるAV紳士達がどんな思いをしてAVコーナーに来てるのかを察してもらいたい。
いや、僕の気持ちを察してもらいたい。
つい先日の話しなんですが、レンタル業界の大御所ともいえるTSUTAYAがレンタル半額をやってたんですよ。
そんなわけで、勿論僕なんかも足を運んだわけですが、それこそAV紳士界の神を見たんです。
店内をブラブラ歩いていると、一組のカップルがいました。
女がこう言います。
「何かAV借りて行こうよ。」
これだけでも結構なビックリ発言ですよ。
まぁ、そんなプレイもいいんじゃないの。
僕なんかは勿論AV紳士ですから男が吟味して借りてくるのかなぁ、
なんて先入観があったために勝手に思ってましたら、
どうやら女は一緒に二人で行くつもりらしい。
おい、それはちょっと待てよ!
とか思ったら男が、まさに僕と同じようなAV紳士的理論で女を説得しているのです。
カップルでAVコーナーに行く事が他の紳士達に如何に迷惑な行為なのかを。
よかった、まだ日本のAV紳士界も捨てたもんじゃない。
女の方もそんな紳士達の事情を察してか、とりあえずどんなジャンルを借りて欲しいかを言ってました。
「どんなの借りてきて欲しい?」
「う~ん、忍者!」
忍者!?
何じゃ、それは!?
なかなかマニアックな事を言うではありませんか。
もちろん僕がそのカップルを気になりだしたのは言うまでも無く、
一体どんなものを借りてくるのだろうかと釘付けになってました。
その後カップルがアレでもないコレでもないと紆余曲折を経て、借りてきたタイトル。
『ネコ耳モード』 (リンク先アリ)
兄ちゃん、それはないよ・・・。
でもアンタ・・・。
紳士だよ。
こうしてまた一人の紳士が女を携えて闇夜に消えるのでした。
ニャン。